「白いダイヤ」
石灰石は、日本でたったひとつだけ自給できる地下資源です。伊吹山の石灰岩は上質で、江戸時代から知られていました。太平洋戦争の敗戦からの復興への道を歩みはじめるなか、旧伊吹村と春照村(現米原市)は大阪窯業セメント社を熱心に誘致しました。工場建設には地元と企業の深い協力関係があり、セメント工場は山村の「希望」でした。昭和48年には600名もの従業員を擁し、その半数以上は地元伊吹町の住民でした。まちは豊富な税収によって地方交付税の不交付団体になるほど、地域は潤いました。名神高速道路や東海道新幹線などのインフラ整備に用いられ、日本の復興を支えました。